被告の名は「金正恩」(1):北に渡った少女が見た「地上の楽園」の真実

帰還脱北者が語る北朝鮮

執筆者:川崎栄子
2021年12月23日
エリア: アジア
人々は盛大な見送りを受けて北朝鮮へ向かった ©時事
NGO団体『モドゥモイジャ』代表の川崎栄子さん(79)は、在日朝鮮人2世として京都で生まれた。父は慶尚南道、母は全羅南道と、両親ともに朝鮮半島南部の出身だったが、子ども時代の川崎さん本人は朝鮮語の読み書きもできず、中学校まで日本の公立学校に通っていたという。そんな少女が、1960年の帰還事業で単身北朝鮮へ渡った。そこで見た「地上の楽園」の真の姿とは――。

 

日本で生まれ育ち、北朝鮮へ「帰った」少女

 子どもの頃、両親同士は家の中では朝鮮語で話していましたから、自分の親が日本人ではないということは知っていました。ただ、私は朝鮮半島のことなんて何一つ知りませんでしたし、最初から「川崎栄子」という名前で日本の学校に通っていました。川崎という苗字は、戦前に父が創氏改名で名乗り始めた苗字です。ですから私自身は、ごく普通の“日本の女の子”として育ったんですね。

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カテゴリ: 政治 社会
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