インテリジェンス・ナウ

イスラエル新政権の要人を米政府が入国させたくなかった因縁

執筆者:春名幹男 2009年5月号
エリア: 中東 北米

 ウジ・アラド氏。イスラエル対外情報機関モサドの元情報(分析)局長で、ベンヤミン・ネタニヤフ新首相が次期国家安全保障会議議長に指名した新政権のキーマンだ。 三月中旬、米政府がアラド氏からの入国ビザ申請をいったん拒否する騒ぎがあった。 戦略的同盟国である米国とイスラエル。モサドと米中央情報局(CIA)も緊密な情報協力を続けてきた。しかし両国政府は互いに拭い難い猜疑心を持つ。 アラド氏は、ワシントンで最強のロビイ組織、アメリカ・イスラエル広報委員会(AIPAC)を舞台にしたスパイ事件で、米連邦捜査局(FBI)から事件への関与を指摘されていた。

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執筆者プロフィール
春名幹男(はるなみきお) 1946年京都市生れ。国際アナリスト、NPO法人インテリジェンス研究所理事。大阪外国語大学(現大阪大学)ドイツ語学科卒。共同通信社に入社し、大阪社会部、本社外信部、ニューヨーク支局、ワシントン支局を経て93年ワシントン支局長。2004年特別編集委員。07年退社。名古屋大学大学院教授、早稲田大学客員教授を歴任。95年ボーン・上田記念国際記者賞、04年日本記者クラブ賞受賞。著書に『核地政学入門』(日刊工業新聞社)、『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)、『スクリュー音が消えた』(新潮社)、『秘密のファイル』(新潮文庫)、『米中冷戦と日本』(PHP)、『仮面の日米同盟』(文春新書)などがある。
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