【Explainer】法的に認められた事例は過去に3件 最悪の戦争犯罪「ジェノサイド」をいかに証明するか

2022年4月21日
キーウ郊外のブチャでロシア軍に殺害された民間人の遺体を掘り起こす法医学者たち(4月8日) (C)REUTERS/Valentyn Ogirenko
バイデン米大統領、ジョンソン英首相など西側首脳からもロシアの「ジェノサイド(集団虐殺)」を非難する声が相次いでいる。ただし、ジェノサイドの厳格な法的定義を満たすには行為者の「意図」を証明する必要があるなど、国際法廷での認定に大きな壁が立ちはだかる。

[ハーグ発(ロイター)]アメリカとウクライナから、ウクライナにおけるロシアの「ジェノサイド(集団虐殺)」の告発が続く。その一方で、究極の戦争犯罪とも言うべき「ジェノサイド」には厳格な法的定義があり、ホロコーストの後、人道法にこの概念が明記されて以降、裁判で「ジェノサイド」が認定されたケースは、数えるほどしかない。

ジェノサイドとは何か

 1948年に制定されたジェノサイド条約は、集団虐殺を「国や民族、人種、あるいは宗教的集団などを全部、あるいは一部破壊する意図をもって」行われる犯罪と定義している。

カテゴリ: 政治
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