アメリカ社会を捉える「暴力を伴う政治革命」への不穏な誘惑

執筆者:ブルース・ストークス(Bruce Stokes) 2022年7月22日
エリア: 北米
容疑者の白人の男(18)は黒人の多く住む地域を意図的に狙ったとみられる[ニューヨーク州バファローの銃乱射事件現場近くの献花台を訪れるバイデン大統領夫妻=2022年5月17日](C)AFP=時事
米NY州銃乱射事件の容疑者が主張した「白人がマイノリティーによって意図的に取って代わられようとしている」という陰謀論は、もはや一部カルトの“理論”とは言えない。SPLCの調査によれば、アメリカの40代以下の男性では、民主党支持層の44%、共和党支持層の34%が「国や民主主義に害をもたらしている政治家を暗殺すること」に賛成だという。

 アメリカにおける「政治的二極化」は広く知られており、ここしばらくその傾向が強まっている。こうした二極化は、様々な問題をめぐる深刻な社会的分断や、大統領選結果の激しい揺り戻し――バラク・オバマ(民主党)からドナルド・トランプ(共和党)、そしてジョー・バイデン(民主党)に代わった――を見ればわかる。

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カテゴリ: 社会 政治
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執筆者プロフィール
ブルース・ストークス(Bruce Stokes)(ぶるーすすとーくす) ジャーマン・マーシャル財団客員シニア・フェロー/英・王立国際問題研究所アソシエイト・フェロー。「ナショナル・ジャーナル」誌特派員、外交問題評議会上級フェローなどを歴任、1997年にはクリントン政権「Commission on United States-Pacific Trade and Investment Policy」のメンバーとして最終報告「Building American Prosperity in the 21st Century」を執筆している。2012年から2019年にかけてはピュー・リサーチ・センターで国際経済世論調査部ディレクターを務め、多岐にわたる項目について日本人の意識調査を実施した。
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