ナンシー・ペロシ米下院議長の台湾訪問を受け、中国の習近平指導部は、台湾を包囲した「重要軍事演習」を強行し、弾道ミサイルを相次ぎ発射した。「やられたらやり返す」を信条とする「戦狼外交」をパワーアップした「脅しの情報戦」と捉えるべきだろう。米国と一戦を交える考えなど毛頭もないにもかかわらず、実際の台湾侵攻を思わせるリアルな軍事演習映像を即座に発信することで、「台湾に触れれば、ただでは済まないぞ」と、米日欧の民主主義陣営や台湾の蔡英文総統に対して「本気度」を誇示することが目的だ。そして「敵」が委縮する間に、「台湾包囲演習」を常態化させ、「台湾封鎖」を既成事実化する――。
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