死せるゴルバチョフとエリツィン、生けるプーチンを走らす

執筆者:名越健郎 2022年9月2日
エリア: ヨーロッパ
超大国ソ連を崩壊させた指導者として、ロシア国内では批判にも晒された晩年だった [2012年11月、自伝を発表した時のゴルバチョフ氏] (C)Evgeny Eremeev/shutterstock.com
生前のゴルバチョフは犬猿の仲だったエリツィンへの当てつけに、しばしばプーチン擁護の発言をしている。だが、エリツィンの妻ナイナ夫人は、ゴルバチョフの死去にあたって功績を称える弔文を発表した。侵攻長期化にともなう反戦世論の高まりを警戒するプーチン政権は、8月20日に極右思想家ドゥーギンの娘がモスクワ郊外で爆殺されて以降、反戦派狩りの姿勢を強めている模様だ。

ロシア西欧主義の死

 ロシアでは18世紀初頭にピョートル大帝が近代化を導入して以降、指導者が交代するたびに欧米に接近する西欧主義と、保守・膨張的なスラブ主義が交互に繰り返された。欧州とアジアにまたがるユーラシア国家のロシアでは、西欧主義かスラブ主義かは永遠の哲学論争である。

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カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
名越健郎 1953年岡山県生まれ。東京外国語大学ロシア語科卒業。時事通信社に入社、外信部、バンコク支局、モスクワ支局、ワシントン支局、外信部長、編集局次長、仙台支社長を歴任。2011年、同社退社。拓殖大学海外事情研究所教授。国際教養大学特任教授を経て、2022年から拓殖大学特任教授。著書に、『秘密資金の戦後政党史』(新潮選書)、『ジョークで読む世界ウラ事情』(日経プレミアシリーズ)、『独裁者プーチン』(文春新書)など。
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