利上げに一喜一憂の米国市場、それでもドルにしがみつく世界――2023年もしぶといドル高

執筆者:滝田洋一 2022年12月9日
エリア: 北米
米家計資産は株式と住宅を合わせてコロナ前を20兆ドル以上も上回っている[ブラックフライデーの買い物にやってきた人々=2022年11月25日、カリフォルニア州アルカディア](C)AFP=時事
米国の利上げ打ち止め観測でドル・円相場は右往左往。だが、パウエルFRB議長が市場に送り続けるメッセージは「インフレ退治」で変わらない。金融引き締めの副作用による景気底割れ懸念は燻るが、それでもコロナ・バブルの崩壊がなければ、経済の自力で他国に勝る米国に世界のマネーは流れ込む。

 米国はいつまで利上げを続け、どこまで利上げするつもりなのか。米連邦準備理事会(FRB)と金融市場関係者の間で綱引きが続いている。FRBがちょっと隙をみせると、市場は利上げ打ち止めの観測をはやし立て、FRBが水をかける。その光景はいたずらネズミのジェリーと家猫のトムの追いかけっこのようだ。2023年にはどうなるか。

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カテゴリ: 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
滝田洋一(たきたよういち) 1957年千葉県生れ。日本経済新聞社特任編集委員。テレビ東京「ワールドビジネスサテライト」解説キャスター。慶應義塾大学大学院法学研究科修士課程修了後、1981年日本経済新聞社入社。金融部、チューリヒ支局、経済部編集委員、米州総局編集委員などを経て現職。リーマン・ショックに伴う世界金融危機の報道で2008年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞。複雑な世界経済、金融マーケットを平易な言葉で分かりやすく解説・分析、大胆な予想も。近著に『世界経済大乱』『世界経済 チキンゲームの罠』『コロナクライシス』など。
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