戦況の転換?:ウクライナ供与「欧米製戦車」が「ゲームチェンジャー」になる条件

執筆者:高橋杉雄 2023年2月2日
エリア: ヨーロッパ
戦車といえど、ハードウエアそれ自体だけで及ぼすことのできる影響力は限られている[レオパルト2=2022年10月17日、ドイツ北部オステンホルツ](C)AFP=時事
重火力戦闘を特徴とするロシア・ウクライナ戦争において、英チャレンジャー2、独レオパルト2、米エイブラムスの投入は戦局の大きな転換を可能にする。ただし、兵器の現実の力はスペックだけでは測れない。訓練、部隊編成、戦略的有効性などの観点から、「ゲームチェンジャー論」で見落とされがちなポイントを確認する。

   ほぼ1年を迎えたロシア・ウクライナ戦争だが、2023年1月25日に大きな転換の兆しがあった。戦争開始以来、欧米はさまざまな武器をウクライナに供与してきたが、欧米製の戦車の供与は見送ってきた。しかし、年頭のイギリスによるチャレンジャー2供与表明に続き、この日、ドイツのレオパルト2、アメリカのエイブラムスの供与が表明されたのである。これは果たして戦争全体の「ゲームチェンジャー」となり得るだろうか。

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カテゴリ: 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
高橋杉雄(たかはしすぎお) 1972年生まれ。防衛省防衛研究所防衛政策研究室長。早稲田大学大学院政治学研究科修士課程修了、ジョージワシントン大学コロンビアンスクール修士課程修了。専門は現代軍事戦略論、日米関係。著書に『現代戦略論―大国間競争時代の安全保障』(並木書房)、『日本人が知っておくべき 自衛隊と国防のこと』(辰巳出版)、『日本で軍事を語るということ 軍事分析入門』(中央公論新社)、共著に『「核の忘却」の終わり: 核兵器復権の時代』(勁草書房)、『新たなミサイル軍拡競争と日本の防衛』(並木書房)、『ウクライナ戦争と激変する国際秩序』(並木書房)、『ウクライナ戦争はなぜ終わらないのか デジタル時代の総力戦』(文春新書)など。
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