【Explainer】「債務環境スワップ」は最貧国グリーン化のゲームチェンジャーとなるか?

2023年2月26日
エリア: 中南米 アフリカ
カーボベルデはアフリカで数少ない中所得国となったが、さらに野心的な取り組みを目指している[ボア・ビスタ島のサル・レイの港で夕暮れ時に水遊びをする子どもたち=2010年7月15日](C)REUTERS/David Lewis
多くの途上国が気候変動の深刻な影響を受けているにもかかわらず、膨れ上がる債務によって、環境対策に費用を投じられないでいる。この問題の解決策として期待が高まるのが、政府の債務を一部免除する代わりに、その分を環境対策に充てる仕組み「債務環境スワップ」だ。

[クアラルンプール発(トムソン・ロイター財団)]膨れ上がる債務、気候変動、自然の喪失という三重苦に直面する多くの途上国にとって、一石三鳥の解決策との期待が高まる金融商品がある。「債務環境スワップ」だ。

 世界銀行が昨年12月に出した報告書「国際債務統計」によると、IDA(国際開発協会)の借入要件を満たす最貧国の年間債務総額は前年比35%増の620億ドル(約8兆4000億円)で、デフォルトのリスクが高まっている。そのうえ各国は、気候変動対策や生物多様性保全に対する投資を増やす必要性にも迫られている。

カテゴリ: 環境・エネルギー
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