3月に中国の習近平国家主席によるトップ仲介外交で合意したサウジアラビアとイランの外交関係正常化。これを機に中東からの撤退を急ぐ米国に代わって、地域での影響力確保を狙う中国がプレイヤーとなった新しい中東秩序の建設がはじまっている。この過程に思わぬかたちで「勝者」に浮上しつつあるのが、長く国際社会で孤立してきたシリアのバッシャール・アル・アサド大統領である。戦争と制裁を生き延びた父ハフェズ・アル・アサドから受け継いだ冷酷な権謀術数は、中東の将来に火種をひろげるリスクをはらむ。
この続きは会員登録をすると読むことができます。
「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン