インテリジェンス・ナウ

オバマ政権が新設する「サイバー司令部」

執筆者:春名幹男 2009年7月号
エリア: 北米

 外交と経済を統合した「米中戦略・経済対話」の七月開催を正式に決め、「G2」に向けて緊密化を深める米中両国。 だが、サイバー空間では両国はまるで、交戦状態か、と思わせるほど緊迫している。 米国家情報長官(DNI)オフィスのジョエル・ブレナー国家防諜部長が今年四月三日テキサス大学オースチン校で行なった講演で中国からのサイバー攻撃の例を次々と明らかにした。 (1)中国側とビジネス交渉をしていた米大手企業が、最終的な譲歩案をハッカーに盗まれた。 (2)米国の情報セキュリティ専門家の個人携帯情報端末が北京で「無線標識」に侵入され、行動を逐一伝えられて、米国内のサーバーまで荒らされた。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
春名幹男(はるなみきお) 1946年京都市生れ。国際アナリスト、NPO法人インテリジェンス研究所理事。大阪外国語大学(現大阪大学)ドイツ語学科卒。共同通信社に入社し、大阪社会部、本社外信部、ニューヨーク支局、ワシントン支局を経て93年ワシントン支局長。2004年特別編集委員。07年退社。名古屋大学大学院教授、早稲田大学客員教授を歴任。95年ボーン・上田記念国際記者賞、04年日本記者クラブ賞受賞。著書に『核地政学入門』(日刊工業新聞社)、『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)、『スクリュー音が消えた』(新潮社)、『秘密のファイル』(新潮文庫)、『米中冷戦と日本』(PHP)、『仮面の日米同盟』(文春新書)などがある。
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