外交と経済を統合した「米中戦略・経済対話」の七月開催を正式に決め、「G2」に向けて緊密化を深める米中両国。 だが、サイバー空間では両国はまるで、交戦状態か、と思わせるほど緊迫している。 米国家情報長官(DNI)オフィスのジョエル・ブレナー国家防諜部長が今年四月三日テキサス大学オースチン校で行なった講演で中国からのサイバー攻撃の例を次々と明らかにした。 (1)中国側とビジネス交渉をしていた米大手企業が、最終的な譲歩案をハッカーに盗まれた。 (2)米国の情報セキュリティ専門家の個人携帯情報端末が北京で「無線標識」に侵入され、行動を逐一伝えられて、米国内のサーバーまで荒らされた。

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