国軍弾圧続くミャンマー、日本の果たすべき役割とは
石橋通宏「ミャンマーの民主化を支援する議員連盟」事務局長インタビュー
2021年2月1日のクーデターから間もなく3年が経過する。12月22日時点で国軍による武力行使で死亡した市民らは4265人、いまだ1万9000人以上が拘束されている。
ミャンマーと政治、経済で深い関わりを持つ日本の果たすべき役割を、超党派で構成される「ミャンマーの民主化を支援する議員連盟(以下、議連)」事務局長の石橋通宏参議院議員に聞いた。
――クーデターが発生して以降、議連ではどのような取り組みを行ってきたのか。
取り組みとしていくつかの柱があって、まずは日本政府を動かすこと。それは即時、国軍の武力行為を絶対に止めさせなければならないということだ。
民主化指導者のアウン・サン・スー・チー氏はじめ、拘束された方々を無条件解放し、総選挙で選ばれた民主的な議会に戻すこと。それをミャンマーと関わりが深い日本こそが、国際社会の先頭に立ってやるべきだと思っている。特に、日本政府が主張する「独自のパイプ」があるのであれば、それを活用して、一刻も早く国軍の暴走を止めるべきだと、政府に対する働き掛けはずっとやってきた。
クーデター後、国軍が市民に武力行使し、死者が増加する中で、議連の中川正春会長を先頭に、「国会決議をして強いメッセージを出そう」という考えの下、水面下で協議を始め、21年6月に「ミャンマーにおける軍事クーデターを非難し、民主的な政治体制の早期回復を求める決議案」の衆参両院での採択に至った。我々は、決して国軍の正当性を認めず、自由と人権、民主主義のために声をあげるミャンマー国民と共にあるのだということを明確に発信させて頂いた。
民主派政府の正当性を認めよ
――日本政府はミャンマー民主派による国民統一政府(NUG)を正式な政府として認めておらず、国軍への姿勢も明確にしていない。
我々はもう2年以上、政府に対してNUGの正当性を認めるように要請してきているが、いまだに政府は、態度を変えていない。
外務省が国軍との関係維持を重んじているからだと推察するが、理由は2つあるのではないか。
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