Weekly北朝鮮『労働新聞』 (59)

極超音速滑空弾を搭載した「火星砲16ナ」発射実験に成功(2024年3月31日~4月6日)

執筆者:礒﨑敦仁 2024年4月8日
タグ: 北朝鮮 金正恩
エリア: アジア
「火星砲16ナ」の発射実験を金正恩国務委員長が現地指導した(『労働新聞』HPより)
4月2日、新開発の極超音速滑空弾頭を搭載した新型中長距離固体弾道ミサイル「火星砲16ナ」の発射実験が行われた。本来であれば3月に行われるはずの最高人民会議の第15期代議員選挙は、いまだ選挙日程も示されていない。『労働新聞』注目記事を毎週解読
 

 3月31日付は、5月中旬に完工予定とされる朝鮮労働党中央幹部学校の建設現場を金正恩(キム・ジョンウン)総書記が現地で指導したことを伝えた。金正恩は、「非の打ちどころのない金日成・金正日主義学園、主体思想学園が建設された、と喜びを禁じ得なかった」という。

 4月3日付は、新たに開発された極超音速滑空弾頭を搭載した新型の中長距離固体弾道ミサイル「火星砲16ナ」の発射実験を金正恩が現地指導したことを伝えた。実験は「速度と高度を強制的に制限して」実施され、「周辺国の安全にいかなる否定的影響も及ぼさなかった」という。金正恩は、「全地球内の任意の敵の対象物に対して『迅速に、正確に、強力に』という党中央のミサイル戦力建設の3大原則を立派に貫徹することになった」と述べた。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
礒﨑敦仁(いそざきあつひと) 慶應義塾大学教授。専門は北朝鮮政治。1975年生まれ。慶應義塾大学商学部中退。韓国・ソウル大学大学院博士課程に留学。在中国日本国大使館専門調査員、外務省第三国際情報官室専門分析員、警察大学校専門講師、米国・ジョージワシントン大学客員研究員、ウッドロー・ウィルソンセンター客員研究員など歴任。著書に『北朝鮮と観光』(毎日新聞出版)、共著に『最新版北朝鮮入門』(東洋経済新報社)など。
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