Weekly北朝鮮『労働新聞』
(66)
祖父・父よりもゆっくりと進む金正恩への個人崇拝(2024年5月19日~5月25日)

朝鮮労働党中央幹部学校の教室内には金日成、金正日と並んで金正恩の肖像画が掲げられていることが確認された(『労働新聞』HPより)
5月22日付は、金正恩(キム・ジョンウン)総書記が朝鮮労働党中央幹部学校の竣工式に出席して演説を行ったと4ページかけて報じた。新校舎の壁面にマルクスとレーニンの大きな肖像画が掲示されたことは既に明らかになっていたが、もう片方の壁面には金日成(キム・イルソン)、金正日(キム・ジョンイル)とともに金正恩の肖像画も掲げられた。3人の肖像画が並んだことが確認されたのは今回が初めてである。
前回の本欄では、「記事に付された写真を見る限りにおいて、中央幹部学校の校舎の壁面に掲げられたのが金日成、金正日の肖像画ではなく、マルクスとレーニンの大きな肖像画であった」と述べた。教室内には従来通り金日成と金正日の肖像画が掲げられたことが確認できたものの、その隣にある金正恩の肖像画は見事にトリミングされていた。つまり、北朝鮮メディアは3人の肖像画が初めて並んだ竣工式の様子を満を持して報じたのである。
今年40歳になった金正恩が、先代指導者と完全に同列、もしくはそれ以上の存在であることを意味するが、これまでにも、中国やキューバの首脳が平壌を訪れた際などに、金正恩の肖像画が掲げられたことはある。

「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン