
洞窟の中でネアンデルタール人の家族が生活する様子[クロアチア北部・クラピナのネアンデルタール博物館展示](C)REUTERS/Nikola Solic
[ロイター発]化石はスペイン・バレンシア州のシャティバ市近郊にあるコバ・ネグラ遺跡で発見された。研究は学術誌『Science Advances』に掲載された。化石の正確な年代は不明だが、ネアンデルタール人は27万3000年〜14万6000年前の間にコバ・ネグラ遺跡に住んだとされる。
子供の性別は確実には判明していないものの、研究チームはこの子供に「ティナ」という愛称をつけた。化石は1989年に発掘され、頭蓋骨の側面から底部を占める側頭骨の右側だった。側頭骨には、脳を守り、外耳道を囲み保護する役割がある。この化石からは様々な身体的特徴に加え、バランスを保ち頭の位置の感知する役割がある三半規管の異常や、聴覚と関係している内耳の蝸牛の縮小が見てとれた。
内耳の形は完全に保たれていたが、その重要性が認識されたのはごく最近になってからだ。ティナの内耳は、ダウン症の人だけに見られる特徴的な形をしていた。死亡時の年齢も内耳の発達状態に基づいて推定された。

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