「大臣、私は脅していない」とオースティンが言った――ウッドワードの新刊『War』に集まる注目
Foresight World Watcher's 5Tips
今週もお疲れ様でした。米「ワシントン・ポスト」紙編集委員のボブ・ウッドワード氏はウォーターゲート事件の調査報道でピューリッツアー賞を受賞した著名ジャーナリスト、米政権の内幕を暴く数々の名著で知られます。その新著『War』が来週15日に発売とあって、米大統領選への影響も気になるところです。
同書の内容については日本のメディアも、トランプ前大統領がロシアのプーチン大統領に新型コロナウイルスの検査機器をプレゼントしたことや、トランプ氏が2021年1月の退任後も7回にわたってプーチン氏と電話で接触したことなどが含まれると伝えていますが(トランプ陣営はこうした部分を公式に全否定しています)、メインテーマはロシア・ウクライナ戦争をめぐる米政権内部の動きにあります。米「フォーリン・ポリシー(FP)」誌のコラムニスト、マイケル・ハーシュ氏による内容紹介は、こうした部分を特に丹念に伝えています。
フォーサイト編集部が熟読したい海外メディア記事5本、皆様もよろしければご一緒に。
What a New Book's Explosive Revelations Tell Us About Biden, Trump, and Putin【Michael Hirsh/Foreign Policy/10月9日付】
「米大統領選まで1カ月を切った今、この本は、[ウラジーミル・]プーチンと[ドナルド・]トランプの関係、そして前大統領のロシアとのビジネスおよび金融関係に関する謎の多くが未解決であることについて、不安を煽るような疑問を再び呼び起こしている」
「来週の発売に先駆けて『フォーリン・ポリシー』誌が入手した同書には、衝撃的な新事実が数多く記載されており、そのうちのひとつとして、[著者のボブ・]ウッドワードは、トランプは大統領退任後もプーチンと7回にわたり会話を交わしたと記している。また2024年のある時には、トランプがプーチンとの間で『彼がいうところの個人的な電話ができるよう』、マール・ア・ラーゴの自宅の部屋から側近に退出するよう指示したことも明かされている」
FP誌コラムニスト、マイケル・ハーシュも刊行前に『War』を入手し、内容を紹介する「新刊の衝撃的な暴露が明かすバイデン、トランプ、プーチン」(10月9日付)を同紙サイトに寄せた。
ハーシュはトランプ(特にトランプのプーチンとの接触)について描かれた部分を中心に取り上げ、大統領選でトランプ陣営の報道官を務めるスティーブ・チュンの過激な反論コメント(「正真正銘の狂気と混乱に陥った人物」「精神的に問題を抱えた人間」といったウッドワード批判を含む)も紹介している。
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