
「ボーン・コレクター」の愛称で呼ばれる新種の肉食イモムシの生息地、ハワイ・マウイ島のワイアナエ山脈[2025年4月24日](C)Rubinoff lab, Entomology Section, University of Hawaii, Manoa/REUTERS
[ロイター]ボーン・コレクターはクモの巣の中をうろつき、巣にかかって身動きの取れないアリやハエ、甲虫やゾウムシなどを横取りする。そして、自分が吐いた糸で作った携帯型の巣の中に身を隠し、死骸の食べられなかった部位で巣を飾ることで、捕食動物のクモから身を隠している。最終的に茶色と白の模様を持つ蛾に成長する。4月24日に論文が学術誌『サイエンス』に掲載された。
ハワイ大学マノア校の昆虫学者で、研究チームを率いたダニエル・ルビノフ氏は、ボーン・コレクターは世界で唯一クモと共に暮らし、共同生活からメリットを得ているイモムシだと話す。
連続殺人を連想させるボーン・コレクターの行動はまるで犯罪小説の一節のようだが、生物が生き残るために独創的な戦略をたどってきた良い例だ。
「(敵である)クモの巣の中で生き延びるために、ボーン・コレクターは虫の死骸で作ったつぎはぎの鎧の中に身を隠す必要がある。ある意味、ヒーローのようだ。まさに文字通り“ライオンの巣”で暮らすわけだが、クモの盲点をつくように潜んでいるだけではなく、クモの巣を食料源と住処として使っている。ボーン・コレクターは身動きの取れない獲物を攻撃するが、動きは遅くて鈍臭く、後ろに(糸で作った)巣を引きずっている」(ルビノフ氏)

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