[ワシントン発/ロイター]研究では、作物として栽培されているジャガイモと野生種のゲノムが解析された。その結果、約900万年前の南米で、ジャガイモに似た植物とトマトが自然に交雑し、ジャガイモの祖先となる新たな系統が誕生したことが明らかになった。
ジャガイモに似た植物とトマトが交雑したことで、地下で栄養を蓄える塊茎(肥大化した茎)という構造が現れた。トマトの可食部は果実であるが、我々が「ジャガイモ」として食べている部分は塊茎だ。研究では、塊茎の形成に重要な遺伝子2つが特定された。
「ジャガイモは、最もすばらしい主食作物の一つだ。汎用性、栄養価、さまざまな文化で活用できる普遍性を兼ね揃えている点で、他の作物は敵わない」と中国農業科学院のゲノム生物学者・植物育種家で、8月1日に学術誌『Cell』に発表された研究論文の共著者である黄三文(Sanwen Huang)氏は述べた。
「ジャガイモは、焼いたり煮たり、蒸したり揚げたりと、ありとあらゆる方法で調理されて食べられている。炭水化物のイメージが強いが、実際にはビタミンC、カリウム、食物繊維、レジスタントスターチを含み、さらにはグルテンフリーで低脂肪なのに満腹感も高い。栄養素が詰まったカロリー源だ」(黄氏)
レジスタントスターチは難消化性でんぷんとも呼ばれ、小腸で消化されずに大腸で発酵する炭水化物の一種だ。腸内細菌のエサとなる。
現生のジャガイモの学名はSolanum tuberosum(ソラヌム・ツベロスム)。今回の研究でジャガイモの「両親」であることがわかった種は、ペルー原生のジャガイモに似た植物Etuberosum(エトゥベロスム)の祖先と、トマトだ。エトゥベロスムはジャガイモによく似ているが、塊茎がない。
エトゥベロスムの祖先種とトマトには約1400万年前の共通祖先が存在したため、
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