【Explainer】トランプ「ガザ和平案」に対しハマスとイスラエルが「答えを曖昧にした部分」
[ワシントン発/ロイター]ドナルド・トランプ米大統領は、イスラム組織ハマスが人質の解放に同意し、米国の和平案の主要部分をいくつか受け入れたことを受けて、イスラエルに対しガザへの爆撃を停止するよう求めた。イスラエルも、ベンヤミン・ネタニヤフ首相がワシントン訪問中に承認した和平案の第1段階を「即時実施」に移すと発表した。
しかし、依然として多くの落とし穴が残っている。トランプ案の実施時期は明確でなく、ガザの壊滅的な状況の中で一部の物流が困難になる可能性があり、ハマスの武装解除やイスラエルの撤退といった問題も未解決のままだ。
これまでの停戦も、イスラエルが攻勢を再開し、戦闘が再燃する形で終わってきた。
銃声は止みつつあるのか
まだ銃声は止んでいない。トランプ氏が爆撃の停止を要求し、ハマスがトランプ案に応じた翌日の10月4日には一時的な静けさが見られたものの、空爆や砲撃の本格的な減少はほとんど確認されていない。10月3日にハマスが人質全員の解放に応じると声明を出して以降も数十人が死亡し、死者数は増え続けている。
交渉担当者たちは、プロセスを進展させるため、早ければ10月6日にもエジプトに集まるとみられている。
この合意で戦争はついに終わるのか
その可能性はある。トランプ氏は20項目からなるこの和平案で紛争を終結させる決意を表明しており、10月3日のSNS投稿で「これはガザだけの問題ではない。中東における長年待ち望まれた平和のためのものだ」と述べた。
しかしこのディールは、2023年の戦争開始直後や今年初めに試みられた、数週間で崩壊した過去の停戦を想起させずにはいられない。今回も多くの障害が予想される。
ハマスの回答は、いくつかの重要な問題に触れていない。たとえば、
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