鳩山内閣で忘れ去られた官僚組織・人事の改造

執筆者:原英史 2009年11月号
タグ: 日本
エリア: アジア

 滑り出しは順風満帆に見える鳩山内閣をどう評価するのか。「事務次官会見禁止」の一件で、当初は「官僚の会見をすべて禁止」を打ち出したものの、メディアからの反発を受け軌道修正に追い込まれた。 私は、内閣発足に先立ち、本誌先月号で「官僚の言論を封じるより、政策決定プロセスを公開すべき」と主張した。その立場から言うと、こうした言論統制的手法は、無意味だ。メディアが官僚の情報発信を期待している中で、無理やり会見を禁止しても、個別の記者ブリーフやオフレコの記者懇などに置き換わるだけだ。むしろ、官僚の側で記者を選んでブリーフするなど、透明度の低下にもつながりかねない。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
原英史(はらえいじ) 1966(昭和41)年生まれ。東京大学卒・シカゴ大学大学院修了。経済産業省などを経て2009年「株式会社政策工房」設立。政府の規制改革推進会議委員、国家戦略特区ワーキンググループ座長代理、大阪府・市特別顧問などを務める。著書に『岩盤規制―誰が成長を阻むのか―』、『国家の怠慢』(新潮新書)など。
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