自由貿易の強力な推進者だった米国がおとなしい。政府だけでなく産業界までやる気がないのは、すでに「その先」へと狙いを移したからだ。「サミット」という名前が、いささか大げさに感じられるような奇妙なイベントだった。十月十三日から二日間、米国のワシントンで開かれた「グローバル・サービス・サミット」。全米からサービス企業の代表者が集まり、世界各国の政府の大物もゲストとして駆けつける大がかりなシンポジウムである。「米経済の七五%はサービス産業が占めるというのに、貿易での比率は三〇%にすぎない。我々はグローバル経済のサービス市場にかかったカギを開けようとしているのだ」
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