とにかく目立つ。 黒人であるからだけではない。フランスの閣僚の中でも頭一つ抜けた長身で、目が覚めるような笑顔の美人。サルコジ政権で二〇〇七年から人権担当相、〇九年からスポーツ担当相を務めるラマ・ヤドだ。 口を開いても、やはり目立つ。サルコジ大統領の言いなりが多い閣僚の中で、言いたい放題。経済協力を進めたい大統領の意に反して、中国や中東諸国の人権状況をずけずけ批判して「閣内不統一だ」と物議を醸した。このような独自性が、右派政治家でトップの大衆人気を集める理由でもあるだろう。 セネガルのイスラム教家庭に生まれ、フランスに家族と移住。移民街で恵まれない少女時代を過ごした。その後、右派政党の活動家となって頭角を現す。
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