社会保障改革に立ちはだかる「既得権益層」

執筆者:鈴木亘 2010年4月号
タグ: ドイツ 日本
エリア: アジア

日本の社会保障は過去の成功体験が全く通用しない前人未踏の領域に入る。だが全世代が危機感を共有しなければ――。 二〇三〇年の社会保障の将来像を考えるに当たって、もっとも重要なその規定要因は、今後わが国が迎える人口構成の変化である。二〇三〇年までの二十年間、世界最速の人口減少、少子高齢化が進み、前人未踏の領域に入る。これまでの成功体験など全く通用しない、まさに常識が逆転する「アリス・イン・ワンダーランド」である。その不思議の世界に、国民の意識が適応できるか、いつの時点で気づいて制度を本気で変えようとするかが、わが国の未来を左右するターニング・ポイントだ。

カテゴリ: 政治
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
鈴木亘(すずきわたる) 1970年生れ。上智大学経済学部卒。日本銀行勤務。大阪大学大学院修了(経済学博士)。大阪大学社会経済研究所、日本経済研究センター、東京学芸大学を経て、2009年4月より現職。規制改革会議専門委員(保育担当)。主著に『生活保護の経済分析』(共著、東京大学出版会、第51回日経・経済図書文化賞)、『だまされないための年金・医療・介護入門』(東洋経済新報社、第9回日経BP・BizTech図書賞)がある。
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top