中国はどこを切り取っても面白い

執筆者:野嶋剛 2010年9月1日

 中国が最近、大きく見えます。

 お金を落とす観光客は中国人だし、景気のいい話も中国の方ばかりです。
外交の舞台では米中が日本の頭越しに仲良くやり始めています。
 北朝鮮問題は中国頼み。軍事力はひたひたと太平洋に押し寄せてきています。
 メディアによる中国の取り上げ方も「中国が存在感を発揮」「中国に注目」的な報道ものが多く、政治も経済もなんだか冴えない日本人は、まずメンタルの面で中国に圧倒されてしまいそうです。

 しかし、いろいろ考えてみると、中国はまだまだこれからの国です。
 政治は相変わらずの一党独裁で、経済成長もいつまで続くとも思えず、所得格差で庶民の不満はたまっています。

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執筆者プロフィール
野嶋剛(のじまつよし) 1968年生れ。ジャーナリスト。上智大学新聞学科卒。大学在学中に香港中文大学に留学。92年朝日新聞社入社後、佐賀支局、中国・アモイ大学留学、西部社会部を経て、シンガポール支局長や台北支局長として中国や台湾、アジア関連の報道に携わる。2016年4月からフリーに。著書に『イラク戦争従軍記』(朝日新聞社)、『ふたつの故宮博物院』(新潮選書)、『謎の名画・清明上河図』(勉誠出版)、『銀輪の巨人ジャイアント』(東洋経済新報社)、『ラスト・バタリオン 蒋介石と日本軍人たち』(講談社)、『認識・TAIWAN・電影 映画で知る台湾』(明石書店)、『台湾とは何か』(ちくま新書)、『タイワニーズ 故郷喪失者の物語』(小学館)、『なぜ台湾は新型コロナウイルスを防げたのか』(扶桑社新書)など。訳書に『チャイニーズ・ライフ』(明石書店)。最新刊は『香港とは何か』(ちくま新書)。公式HPは https://nojimatsuyoshi.com
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