来年一月スタートの中央省庁再編で、「経済産業省」に衣替えし、「経済政策の主導権を大蔵省から奪う」と威勢のよかった通産省が、このところまったく精彩がない。同省の有力幹部ですらこう批判する。「いったい経済産業省としてどんな政策を打ち出すのか準備が出来ていない。それどころか、当面の政策についても場当たり的にしか取り組んでいない」 たしかに、通産省はこの半年間で様変わりした。昨年十月の内閣改造前後、与謝野馨前通産相の頃は景気対策、産業再生などで通産省は政府の経済政策の主導権を握ったかの観があった。しかし、内閣改造で深谷隆司氏が通産相に就任してからというもの、同省は「開店休業」の状態が続いている。

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