内部の会合で、江沢民が語った「四つの意外」。それは、10年前から次期最高指導者への道を走ってきた胡錦濤の前途が平坦ではないことを明らかにした。93年、トウ小平の「301病院入院」を世界に先駆けてスクープした中国ウォッチャーによる核心レポート。「こんなにやることが少なくて楽な同行取材は初めてですね」 新華社や人民日報などの記者が語り合った。四月二十三日から五月三日にかけ、胡錦濤中国国家副主席(政治局常務委員)のマレーシア・シンガポール・米国歴訪に同行した記者は、それぞれの報道機関でも経験豊かな選りすぐりである。ところが、胡錦濤弁公室の秘書は、そのベテラン記者らが「慣例に沿って」事前に提出した報道プランの多くを削除、速報はごく簡単なものとし訪問国ごとのサマリー記事も必要ない、など異例の指示を繰り出した。

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