「六対三」に割れた政治局常務委員会議

執筆者:藤田洋毅 2003年7月号
タグ: 中国
エリア: アジア

なぜ、中国のトップ九人が集う会議の採決が割れたのか。前首相の朱鎔基がかたくなに沈黙を守る理由は? SARSの衝撃に揺れる権力の中枢を描くスクープ・レポート。「時代の転換点です。時に亀裂が走るのは、避けられないでしょう」――中南海の中枢に詳しい中国筋は言った。WHO(世界保健機関)は中国の情報開示や感染者報告例の情報不備などに疑念と不満を残しながらも、六月五日、新型肺炎SARSは峠を越えたようだ、と発表した。「船出したばかりの胡錦濤丸にいきなり襲いかかった横波=SARSで、政権は大揺れに揺れ、船内まで浸水したようです」と同筋は表現した。最高指導者九人で構成する政治局常務委員の間に亀裂が走り、SARSは癒しがたい傷跡を残したようなのだ。

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