民主党穏健・中道派の政策グループDLCが活動停止

執筆者:足立正彦 2011年2月9日
エリア: 北米

 民主党の穏健・中道派議員らで構成される政策グループである「民主党指導者会議(DLC:Democratic Leadership Council)」の共同創設者であるアル・フロムが7日に声明を発表し、DLCが25年以上に及ぶその活動を停止させることを明らかにした。現職ロナルド・レーガン大統領(当時)が、民主党リベラル派で労組寄りのウォルター・モンデール元副大統領に対し、モンデールの地元ミネソタ州とワシントンD.C.以外の49州で勝利するという地滑り的勝利を収めた1984年大統領選挙の翌年85年にDLCは創設された。フロムとウィル・マーシャルの二人の共同創設者、サム・ナン上院議員(ジョージア州選出、当時)やチャック・ロブ州知事(ヴァージニア州、当時)ら南部の有力民主党政治家らが中心となって、1960年代後半から左傾化していった民主党を中道路線に再び戻すことを目的としてDLCは創設された。1988年大統領選挙で民主党大統領候補のマイケル・デュカキス・マサチューセッツ州知事(当時)が敗北した翌年の1989年には、マーシャルはDLC傘下のシンクタンク「進歩的政策研究所(PPI:Progressive Policy Institute)」を設立し、DLCの政策提言力の強化を図った。

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執筆者プロフィール
足立正彦(あだちまさひこ) 住友商事グローバルリサーチ株式会社シニアアナリスト。1965年生まれ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より、住友商事グローバルリサーチにて、シニアアナリストとして米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当し、17年10月から米州住友商事ワシントン事務所に勤務、20年4月に帰国して現職。
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