饗宴外交の舞台裏
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危機感から生れた官民一体「フランス料理キャンペーン」
フランスが農産加工品の輸出促進キャンペーン「So French, So Good」(フランスだからこそ美味しい)を開始した。「美食の国」の名声にあぐらをかいていた反省から、フランスの食の素晴らしさをPRし、農産加工品の輸出振興を図ろうとの狙いだ。 3月1日の夜、フランス大使公邸で豪華な夕食会が開かれた。招かれたのはフランス農産品の輸入業者、フランスレストランの経営者やシェフ、それにジャーナリスト。私にも声がかかり、大勢の中に交じってお相伴にあずかった。 料理に腕を振るったのは公邸料理人ではなく、わざわざこの日のためにフランスから飛んできたパリの著名なレストラン「グラン・ヴフール」のオーナーシェフ、ギー・マルタン氏。日本でもよく知られた料理人である。 同氏はフランスの美食を象徴するフォアグラの親善大使でもある。この日から4日間の日程で開幕した幕張メッセで「第36回国際食品・飲料展」(FOODEX)にフランスのフォアグラ業者が出展したのに合わせ、フォアグラの特別レシピで日本人をもてなそうとの企画が練られた。フォール駐日大使が公邸を開放する官民一体の作戦でもあった。

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