先回、毎日新聞社の斗ヶ沢氏のことを書いた。それと同時に、じつはもうひとりの友人に教えを請うていた。斗ヶ沢と一緒に東北大学理学部に進学し、大学院を経て素粒子原子核物理の研究者になって、現在は高エネルギー加速器研究機構(KEK)の教授をしている宮武宇也氏だ。宮武(斗ヶ沢同様昔の呼び名を許されたい)もまた、北海道小樽の高校でシコシコと同人誌を作っていた文学仲間だった。宮武は、小樽の在、浜益村からやってきた秀才だった。われわれ3人はとても親しかった。
KEKは現在、福島災害対策本部に放射能測定機器と2名の研究者を派遣している。KEKにはつくばキャンパスと東海キャンパスがあるが、実験施設の多くが停止しているらしい。そんななかでも、放射能測定の守備範囲を広げようと努力しているという。
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