次期米国防長官にパネッタCIA長官か

執筆者:春名幹男 2011年4月12日
タグ: CIA
エリア: 北米 アジア

 7月ごろ退任するゲーツ米国防長官の後任にパネッタ中央情報局(CIA)長官が就任する、との情報がワシントンでは既成事実化しているようだ。CIA長官の後任には、ペトレアス駐アフガン米軍司令官が有力視されている。
 パネッタ長官は下院議員や行政管理予算局長、クリントン元大統領の首席補佐官などを歴任した大物。何よりもワシントン政治に通じている。ブレア前国家情報長官(DNI)はオバマ大統領との個人的関係も悪く辞任したが、CIA海外支局長の人事権を掌握しようとしてパネッタ氏に拒否され、吹き飛ばされた格好だった。パネッタ氏が国防長官に起用されれば、政権の重石のような役割を担うだろう。
 ペトレアス氏はイラク情勢を沈静化させた功労者。前立腺がん手術を受け、体力的問題も懸念されたが、アフガニスタンの困難な情勢を切り盛りしている。CIA長官に就任することになれば、CIAのアフガニスタン工作が活発化する可能性もある。

カテゴリ: 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
春名幹男(はるなみきお) 1946年京都市生れ。国際アナリスト、NPO法人インテリジェンス研究所理事。大阪外国語大学(現大阪大学)ドイツ語学科卒。共同通信社に入社し、大阪社会部、本社外信部、ニューヨーク支局、ワシントン支局を経て93年ワシントン支局長。2004年特別編集委員。07年退社。名古屋大学大学院教授、早稲田大学客員教授を歴任。95年ボーン・上田記念国際記者賞、04年日本記者クラブ賞受賞。著書に『核地政学入門』(日刊工業新聞社)、『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)、『スクリュー音が消えた』(新潮社)、『秘密のファイル』(新潮文庫)、『米中冷戦と日本』(PHP)、『仮面の日米同盟』(文春新書)などがある。
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