深層レポート 日本の政治 (137)

「浜岡」後も加速する「菅降ろし」と「政界再編」

執筆者: 2011年5月26日
タグ: 日本
エリア: アジア
5月24日、合同誕生会で握手する民主党の小沢一郎元代表と渡部恒三最高顧問 (C)時事
5月24日、合同誕生会で握手する民主党の小沢一郎元代表と渡部恒三最高顧問 (C)時事

 5月10日午前、衆議院第2議員会館で、民主党政策調査会の経済産業部門会議メンバーと東海地区選出の国会議員団の計約40人が合同会議を急遽開催した。会議には海江田万里経済産業相も招かれた。経済産業と東海地域の両組織メンバーが集まるということは、議題は当然、中部電力浜岡原子力発電所の停止問題である。  春の大型連休中の5月6日夜、菅直人首相は突然、浜岡原発停止を中部電力に要請すると発表した。合同会議では、この件に関して、東海沖地震や津波への対応をはじめとして、停止による中部地方の産業の冷え込みと電力料金値上げの可能性、他の原発停止への波及、他地域や海外への工場移転の懸念などについて、侃々諤々の議論が交わされた。  ただ、出席議員からの質問や不満の声が集中したのは、停止にまつわる災害や経済の問題ではなく、決定プロセスについてだった。原発によって多方面での影響を受ける東海地区の議員にも、エネルギー問題にかかわる経済産業部門の議員にも、一切事前連絡なしで浜岡原発の停止要請が決定されたからだ。

カテゴリ: 政治
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