演劇『今日を追憶せん』キャンペーンの真意

執筆者:平井久志 2011年10月11日
エリア: アジア

 日本ではまったく報道されていないが、北朝鮮で今、「今日を追憶せん」という演劇が大きな話題になっている。北朝鮮では1年に1作程度、注目すべき演劇が発表され、それが住民の思想教育に活用される。昨年は軽喜劇「山びこ」が話題になった。しかし、今年の「今日を追憶せん」へのキャンペーンは、昨年の「山びこ」をはるかに凌ぐものであり、それが何を意味するのか注目したい。

 朝鮮中央通信は7月13日に、金正日(キム・ジョンイル)総書記が国立演劇劇場で上演された国立演劇団の新作「今日を追憶せん」を金正恩(キム・ジョンウン)党中央軍事委副委員長や張成沢(チャン・ソンテク)国防委副委員長など幹部多数を随行して鑑賞したと報じた。

カテゴリ: 政治 カルチャー
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執筆者プロフィール
平井久志(ひらいひさし) ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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