週末の渋谷、道玄坂、ラブホに入っていく人たちをちらちらみながら、足を踏み入れたのは映画館。中国映画の新鋭、王兵(ワン・ビン)監督の「無言歌」を観た。
この映画、映画館で観たくて、再上映を待っていた。結論から言うと、本当に見てよかった。
とにかくゴビ砂漠の空の青さ、大地の茶色がコントラストになって、その設定そのものに圧倒されてしまう。
主人公の顔や名前は正直最後まで全然頭に入ってこなかったが、そんなのはかなりどうでもいいように作られた映画で、人間の尊厳とは何かを考えてくれ!というワン・ビンの叫びが全編を貫く作品だった。

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