饗宴外交の舞台裏 (167)

2種類の日本酒でもてなされたキャメロン英首相

執筆者:西川恵 2012年4月18日
タグ: 日本 フランス
エリア: ヨーロッパ アジア
キャメロン首相(左)のためにいつもと違う日本酒を用意した野田首相(c)AFP=時事
キャメロン首相(左)のためにいつもと違う日本酒を用意した野田首相(c)AFP=時事

 キャメロン英首相が4月10、11日、来日した。英首相の来日は主要国首脳会議(G8サミット)を除けば2003年のブレア首相以来。日英両国関係の再始動という意味合いがこの訪問にはあった。  キャメロン首相は10日、皇居・宮殿に赴き、天皇陛下と会見した。天皇陛下は心臓手術後の療養からこの日、公務に復帰したばかり。同首相が天皇陛下と会う最初の外国首脳となったのには、日本側の計算もあったと思われる。  天皇、皇后両陛下は5月に英国で行なわれるエリザベス女王即位60周年の関連行事に出席する予定で、これを念頭に置いたのだろう。同首相は「お会いできれば嬉しい」とのエリザベス女王のメッセージを伝え、天皇陛下は「お心遣いに感謝します」と応じた。

カテゴリ: 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
西川恵(にしかわめぐみ) 毎日新聞客員編集委員。日本交通文化協会常任理事。1947年長崎県生れ。テヘラン、パリ、ローマの各支局長、外信部長、専門編集委員を経て、2014年から客員編集委員。2009年、フランス国家功労勲章シュヴァリエ受章。著書に『皇室はなぜ世界で尊敬されるのか』(新潮新書)、『エリゼ宮の食卓』(新潮社、サントリー学芸賞)、『ワインと外交』(新潮新書)、『饗宴外交 ワインと料理で世界はまわる』(世界文化社)、『知られざる皇室外交』(角川書店)、『国際政治のゼロ年代』(毎日新聞社)、訳書に『超大国アメリカの文化力』(岩波書店、共訳)などがある。
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