韓国大統領選まで3カ月(上)壁にぶつかった「朴槿恵」

執筆者:平井久志 2012年9月28日
エリア: アジア

 韓国大統領選挙に出馬するのかしないのか気を揉ませてきたソウル大学の安哲秀(アン・チョルス)教授(50)が9月19日、遂に出馬を表明した。これでようやく、韓国大統領選挙は与党・セヌリ党の朴槿恵(パク・クネ)元代表(60)、野党・民主統合党の文在寅(ムン・ジェイン)議員(59)、無党派の安哲秀教授という「ビッグ3」が出そろった。
 韓国の大統領選挙の投票日は12月19日で、もう3カ月を切った。投票日までの最大の焦点は野党・民主統合党の文在寅議員と安哲秀教授の間の候補一本化が実現するかどうかにある。候補一本化が実現せずに「ビッグ3」がそのまま選挙戦に突入すれば朴槿恵氏の勝利がほぼ確実視されているからだ。一方、韓国の現時点での各種世論調査では、安哲秀教授でも文在寅議員でも候補が一本化されれば朴槿恵元代表と拮抗もしくは優位という結果が出ている。
 その意味で、投票日までの最大のイベントは野党候補の一本化ができるかどうかである。
 

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執筆者プロフィール
平井久志(ひらいひさし) ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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