村上春樹ではなく、莫言がノーベル賞を取った。
会社の仕事でいわゆる「予定稿」をたくさん準備して村上受賞に備えていただけに、選考委員会の「モーイェン」という英語を耳にした途端、職場には何とも言えない空気が流れた。
アジア人の受賞だから本来はニュース価値は日本でも高いはずなのに・・・。そして、日本人が莫言の受賞にあまり喜べない理由の一つには、尖閣諸島をめぐる昨今の日中関係のなかで、また一つ、中国側に「してやったり」と喜ばせる材料になるという予感が心の中に走ったからではなかっただろうか。
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