日本企業の経営者は、中国の反日不買運動は腰が入ったものになる、と判断せざるをえなくなった。しかし「中国リスク」の別の側面は、中国自身にとってのリスクでもある。「レッド・キャピタリズム」と呼ばれる中国の国家資本主義は、中国共産党が企業運営に直接介入することを意味する。このことが中国系企業のガバナンスの不明瞭性に繋がり、結果としてグローバル企業としての成長を妨げる機縁になることを否定できない。尖閣諸島問題が切り開きつつある中国内部での権力闘争の政治空間と、中国の「レッド・キャピタリズム」が海外の政府部門との間で引き起す問題群とは、共振するようにして中国の選択肢を不透明なベールで覆いつつある。
この続きは会員登録をすると読むことができます。
「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン