国際論壇レビュー
日本のTPP交渉参加で始まるアメリカの「グレートゲーム」
グレートゲームが始まった。
就任後初の訪米で、環太平洋連携協定(TPP)への参加は「聖域なき関税撤廃」を前提とはしないという言質をオバマ大統領から得た安倍晋三首相は、満を持して交渉入りを宣言した。アベノミクスの「3本の矢」のひとつ「成長戦略」に深く関わる通商戦略となる。
同時に、TPPは中国をめぐってのアメリカのグレートゲーム(大戦略)の一環をなしていることも忘れてはならない。安倍首相訪米直後の米紙「ニューヨーク・タイムズ(NYT)」に掲載された寄稿が、そのことを明確にしている。筆者は政治リスク分析で知られる米コンサルタント会社ユーラシア・グループを率いるイアン・ブレマーと同社の研究部長デビッド・ゴードン(元国務省政策立案部長)だ。【Two Key Foreign Policy Openings for Obama, NYT, Feb. 25】

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