インテリジェンス・ナウ

米軍が手を焼くイラン情報機関の秘密工作

執筆者:春名幹男 2005年2月号
エリア: 中東 北米

 イラク国民議会選挙の舞台裏でイランとアメリカの情報戦争が激しさを増している。イラン情報機関の秘密工作は巧妙で、イラクに親イランのイスラム教シーア派国家を造るという戦略的目標は前進しているようだ。 イランの情報機関といえばSAVAK(国家治安情報機関の意味)が知られている。SAVAKは、一九五三年のモサデク政権打倒クーデターで復権したパーレビ国王が米中央情報局(CIA)とイスラエル情報機関の支援を得て、五七年に創設した。反体制派勢力の監視、人権抑圧で知られる。SAVAK要員は一万五千人以上、情報提供者は数千人に上ったという。

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執筆者プロフィール
春名幹男(はるなみきお) 1946年京都市生れ。国際アナリスト、NPO法人インテリジェンス研究所理事。大阪外国語大学(現大阪大学)ドイツ語学科卒。共同通信社に入社し、大阪社会部、本社外信部、ニューヨーク支局、ワシントン支局を経て93年ワシントン支局長。2004年特別編集委員。07年退社。名古屋大学大学院教授、早稲田大学客員教授を歴任。95年ボーン・上田記念国際記者賞、04年日本記者クラブ賞受賞。著書に『核地政学入門』(日刊工業新聞社)、『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)、『スクリュー音が消えた』(新潮社)、『秘密のファイル』(新潮文庫)、『米中冷戦と日本』(PHP)、『仮面の日米同盟』(文春新書)などがある。
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