6月19日、安倍晋三首相がG8サミット(主要国首脳会議)に出席するために訪れたロンドン市内で行なった「経済政策に関する講演 」は、さながら世界に向けた投資勧誘だった。
「日本の再興に必要なものは、古い日本を新しくし、新しい日本をもっと強くする、強力な触媒です。対日直接投資に、その期待がかかります」
5月下旬にあとわずかで1万6000円というところまで迫った日経平均株価は、1万3000円を割る水準まで下落。安倍首相が渾身の力を込めて放ったはずの3本目の矢である成長戦略『日本再興戦略』を6月14日に閣議決定しても、市場はまったく反応しなかった。そんな背景もあったのだろう。安倍首相は熱く投資家に語りかけるように日本への投資を呼びかけた。世界に門戸を開き、海外の投資を受け入れることで、日本を新しく変えていく。そう強調してみせたのである。
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