デジタルカメラや携帯電話の不振に新潟県中越地震による半導体子会社の被災も加わって、今期千二百十億円もの赤字決算となる三洋電機は元キャスター野中ともよ氏を会長兼CEO(最高経営責任者)に迎えるなど、なりふり構わない再建策を打ち出しているが、その三洋を、韓国・サムスン電子が狙っている。目をつけているのは「三洋の得意とする電池事業」(海外大手投資銀行幹部)だという。 競争相手が多く、好不況の波が大きいデジタル家電に比べ、規模のメリットを生かした電池事業の利益率は安定して高い。ニッケル水素やリチウムイオンなど二次電池で、三洋のシェアは世界トップ。また、太陽電池も、昨年度の営業利益九百五十五億円のうち、三割近くを稼ぎ出している。三洋自体、電池を含めたデジタル・環境事業の営業部門を、他からの配置転換で約千人増員する計画を打ち出すなど、電池事業を起死回生の旗頭に据える考えだ。
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