堕ちゆく世界の迷走
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金融緩和「出口戦略」めぐり世界に走る悪寒
熱帯のような暑さが続いた2013年夏の終わり。アベノミクスで明るくなったはずの世の中の雰囲気は、どこかに消えている。ふと周りを見渡すと殺伐とした風景が広がり、わが身には夏風邪の引き始めのような悪寒が走る。
混乱のきっかけは皮肉にも、米連邦準備制度理事会(FRB)が異例の金融緩和の蛇口を絞る「出口戦略」を模索したことだった。米国からの投資資金で有卦に入っていた新興国のマーケットは大荒れとなっている。今年9月は世界を大混乱に陥れたリーマン・ショックから5年。その混乱が解消されていないことを物語る出来事である。日本の株価も大きく下押し圧力を受けている。

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