台湾「総統vs.立法院長」の政争が突如火ぶた

執筆者:野嶋剛 2013年9月10日
タグ: 中国 台湾
エリア: アジア

 9日、台北の松山空港に降り立った時、いつもの緩んだ南国の空気とは違った緊張感が漂っていた。空港設置のテレビの前に人だかりができており、馬英九総統の会見を流すニュースを複雑な表情で見入っていた。

 台湾で、久々に大型の政争が突如始まった。国民党の2大巨頭と言える馬英九総統と、国会議長にあたる王金平・立法院長との内紛である。現時点までは、馬総統が王院長の海外滞在という本人不在の機に乗じて、普段の決断力のなさからすると意外なほど素早く王氏排除に動き、優勢に事を進めている。

 

「口利き」の盗聴結果

 発端は先週末に開かれた最高検の特別捜査チームの記者会見だった。野党・民進党の立法委員団団長である柯建銘氏が起訴され、一審で無罪判決が出た会計法違反の事件について、柯氏が王院長に対し、検察が上訴を断念するように「口利き」を頼んだ会話の生々しい盗聴結果が会見資料として配られ、台湾社会が騒然となったのである。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
野嶋剛 1968年生れ。ジャーナリスト。上智大学新聞学科卒。大学在学中に香港中文大学に留学。92年朝日新聞社入社後、佐賀支局、中国・アモイ大学留学、西部社会部を経て、シンガポール支局長や台北支局長として中国や台湾、アジア関連の報道に携わる。2016年4月からフリーに。著書に『イラク戦争従軍記』(朝日新聞社)、『ふたつの故宮博物院』(新潮選書)、『謎の名画・清明上河図』(勉誠出版)、『銀輪の巨人ジャイアント』(東洋経済新報社)、『ラスト・バタリオン 蒋介石と日本軍人たち』(講談社)、『認識・TAIWAN・電影 映画で知る台湾』(明石書店)、『台湾とは何か』(ちくま新書)、『タイワニーズ 故郷喪失者の物語』(小学館)など。訳書に『チャイニーズ・ライフ』(明石書店)。最新刊は『なぜ台湾は新型コロナウイルスを防げたのか』(扶桑社新書)。公式HPは https://nojimatsuyoshi.com
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