焦点の次回「日露公式会談」は来秋山口開催か

 日露関係で次の最大の焦点となるプーチン大統領の訪日は、来年秋ごろになりそうだ。安倍晋三首相は10月にインドネシアでプーチン大統領と会談した際、首相の地元である山口県での開催を提案。大統領は「喜んで受け入れる」と応じており、首相の選挙区である下関か長門での開催説が浮上している。

 

 首相はその際、誕生日を迎えた大統領に山口県産の日本酒と酒器をプレゼントし、地元をアピールしていた。

 

 日露間ではこれまで、イルクーツクや川奈など首都以外で首脳会談を開いたことがあり、いずれも重要な提案や合意がなされた。両首脳は今年9月、大統領の地元であるサンクトペテルブルクでも会談しており、日本側は、かつてゴルバチョフ元大統領とコール元独首相が郷里を相互訪問して親交を深め、戦後処理を一気に達成したことの再来を狙っているかにみえる。

カテゴリ: 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
名越健郎(なごしけんろう) 1953年岡山県生まれ。東京外国語大学ロシア語科卒業。時事通信社に入社、外信部、バンコク支局、モスクワ支局、ワシントン支局、外信部長、編集局次長、仙台支社長を歴任。2011年、同社退社。拓殖大学海外事情研究所教授。国際教養大学特任教授を経て、2022年から拓殖大学特任教授。著書に、『秘密資金の戦後政党史』(新潮選書)、『ジョークで読む世界ウラ事情』(日経プレミアシリーズ)、『独裁者プーチン』(文春新書)など。
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