国際人のための日本古代史 (45)

合葬された「天武・持統天皇」の本当の仲

執筆者:関裕二 2013年12月13日
タグ: 日本
エリア: アジア

 11月14日、宮内庁から両陛下の葬送と御陵にまつわる発表があった。国民生活に負担をかけたくないという両陛下のお気持ちを尊重し、陵墓の規模は縮小されることになった。

 また、今上天皇が皇后陛下との合葬を望まれ、かたや皇后陛下は「畏れ多い」と、遠慮された。仲睦まじい両陛下の様子を拝見していると、心情的には、合葬も認めるべきではないかと思ってしまうが、ことはそれほど単純ではない。天皇陵に皇后陛下を合葬すれば、民間人を天皇と同等に祭ってしまうことになるからだ。

 結局、天皇陵のすぐそばに小振りな皇后陵を造営することで落ちついた。現状では、これがもっとも合理的で納得できる結論であろう。

カテゴリ: カルチャー
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執筆者プロフィール
関裕二(せきゆうじ) 1959年千葉県生れ。仏教美術に魅せられ日本古代史を研究。武蔵野学院大学日本総合研究所スペシャルアカデミックフェロー。著書に『藤原氏の正体』『蘇我氏の正体』『物部氏の正体』、『「死の国」熊野と巡礼の道 古代史謎解き紀行』『「始まりの国」淡路と「陰の王国」大阪 古代史謎解き紀行』『「大乱の都」京都争奪 古代史謎解き紀行』『神武天皇 vs. 卑弥呼 ヤマト建国を推理する』など多数。最新刊は『古代史の正体 縄文から平安まで』。
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