「最後の親密なる晩餐」とフランスの日刊紙は表現した。十月十四日夜、フランスのシラク大統領は退任間近いシュレーダー独首相をエリゼ宮に招き、最後の会食をもった。 一応はワーキングディナーと位置づけられ、夕食会に先立ち会談が行なわれたが、退任するシュレーダー首相が新たな約束をしたり、政治的イニシアチブをとれるわけでもない。会談は形だけのもので、シラク大統領としては食事をとりながら、首相の七年間の労をねぎらいたいとの思いがあったのだろう。 シラク大統領はどんな料理でシュレーダー首相をもてなしたのか。私の問いにエリゼ宮の担当者は「海の幸の盛り合わせです」と言った。それは前菜?「いえこれだけです」。これには私もビックリした。
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