昨年12月、東京・恵比寿の日仏会館で「ワインをめぐる人と風景」とのタイトルでシンポジウムが開かれた。ワインがさまざまな文化の交流と対話を仲介するツールとなっていることを考察したシンポジウムだが、この中で日仏会館フランス事務所の協力研究員、野澤丈二氏が「江戸期における欧州産ワインの普及」という興味深い報告を行った。
報告は次のような内容だった。
1、江戸時代、オランダの東インド会社の貿易船は毎年、長崎・出島のオランダ商館にワインを運んできたが、その量は伸び続け、17世紀末には年間3000-4000リットルになっていた。

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