レオ・シュトラウスは「ネオコンの始祖」なのか

執筆者:会田弘継 2006年3月号
エリア: 北米

 ここ数年、レオ・シュトラウス(一八九九―一九七三)ほど騒がれた思想家はいないだろう。いわく、九・一一テロへのアメリカの対応は、シュトラウス思想の影響だ。いわく、ブッシュ政権の独断外交を主導したネオコン(新保守主義者)を背後から思想的に支えたのはシュトラウスである。 それまで一部の思想史研究者を除いてあまり知られていなかった、このドイツ生まれのユダヤ人の政治哲学者をめぐり、アメリカの新聞、雑誌は「謎めいた哲人」といった視点で、さまざまなことを書きつらねた。騒ぎは、大西洋や太平洋を越えて、欧州や日本にも波及した。ほとんどが、ネオコンに絡めてシュトラウスを論じた。

カテゴリ: カルチャー
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執筆者プロフィール
会田弘継(あいだひろつぐ) 関西大学客員教授、ジャーナリスト。1951年生まれ。東京外語大英米語科卒。共同通信ジュネーブ支局長、ワシントン支局長、論説委員長などを務め、現在は共同通信客員論税委員、関西大学客員教授。近著に『世界の知性が語る「特別な日本』』 (新潮新書)『破綻するアメリカ』(岩波現代全書)、『トランプ現象とアメリカ保守思想』(左右社)、『増補改訂版 追跡・アメリカの思想家たち』(中公文庫)など。訳書にフランシス・フクヤマ著『政治の衰退』(講談社)など。
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